ザキヤマという男の物語。

人生は冥土までの暇つぶし。自由気ままな男の物語を書き残しています。

変化

家具の配置を考えているときに、彼女にいたずらっぽくワガママを言った。

 

時間が許す限り、遠慮なく泊まりに来て欲しいなぁ。

調子いいこと言って~!

いや、本気だよ?俺としては毎日寝顔見たいんだけど。

毎日って笑 ほら、これってシングルベッドじゃない。2人で寝るには狭いよねー。

密着して寝れるじゃ~ん♪

暑苦しいし・・・

Σえ?

冗談よ笑 仕事の疲れ抜けなくない?

それはどうかなぁ。でも今日だけは絶対泊まりだよ?初日は一緒に寝たいのです!

そのつもりだけど?息子は元主人の家にお泊りだし笑

あれ?そうなの?やった・・・!あ、もちろん息子くんも来てくれて構わないからね!

さすがにそれは。。。でもこの部屋Wi-Fiあるからあの子入り浸りそう・・・爆

嫌がらないなら大歓迎だよ?笑

そっか。ありがとうございます。じゃあ考えとくね。

うん。それと、部屋のコーディネート任せていいかな?お互いがリラックスできる空間にしたい!

ホントにいいの?

何度も言わせないで。遠慮はいらない。あとでカーテンとか追加のカラーBOXとか一緒に選ぼうね♪

なんだか楽しそうね笑

お蔭様で♪ありがとね!

はーい♪

 

壁紙が白ということもあり、ダークグレーのカーテンと白のレースカーテンを購入。

 

息子くん泊まりに来た時用に、このソファーベッド(グレー)も買っておこうか!

えー!いいの?なんか1人暮らしじゃなくなってない?笑

最初から3人でも不自由なく暮らせるようにする狙いなんだけど?

入リ浸リマスヨ・・・?

どうぞお構いなく笑

ンフフ~♪

 

元々持っていた家具が黒ということもあり、カーペットや机も黒をチョイスし、必然的にカラーテーマはモノクロームトーンとなった。

全ての整理整頓と配置が終わってから彼女が一言。

ん~・・少し暗すぎるかなぁ?

数日後、仕事から帰るとエバーフレッシュが追加されていた。

観葉植物を自分の部屋に置くのは初。

一気にオシャレ感が増す。

カラーBOXに金属板風のシートを貼ったり、100均で買い揃えたパーツをDIYしキーフックを作成したりと彼女の本気度が垣間見えた。

彼女は自宅の用事を済ませてから下の子と共にウチに泊まりに来るという2重生活。

たまに時間を割いて僕の部屋のことまでやってくれている。

決して楽ではないはずなのに、これまで忙しそうな素振りや面倒くさそうな顔を見せたことがない。

ママ歴18年は伊達ではなかった。

半同棲生活も今日でちょうど1カ月。

キッチンの主導権はもちろん僕。

彼女に僕の手料理を食べて欲しいし、ゆっくりしていって欲しいからだ。

LINEは連絡事項のみで使用し、極力会話のネタはあった時に話すようにしている。

お蔭で以前より笑い合っている時間が増えた。

相手と向き合うことの大切さを改めて知ることが出来たように思う。

 

 

心機一転

多方面の友人からのサポートで引っ越しは難なく終わった。

大型の荷物は運送会社を営む先輩に頼んだ。

あいにくの雨模様だった引っ越し当日、実家にカーゴトラックで先輩の息子さんと共に乗りつけてくれた。

移動時間も含め、荷物の搬出/搬入は3時間で終了。

荷物の整理整頓は、引っ越し先で彼女に手伝ってもらい、いくつか未開封のダンボールは残ったが寝床確保まで半日もかからなかった。

 

はい。コレ。

え?いいの?

 

荷物整理も落ち着いたタイミングで不動産屋から貰った片方の鍵を差し出した。

 

当然でしょ。彼女だもん。ここは好きに使っていいから。

え~?知らない女と鉢合わせるの嫌だな~笑

それはないよ笑 実の子は来たがるし、部屋に入れると思う。でも君以外の女性はココには入れない事を約束する。

ふ~ん笑 そんな事言って大丈夫?出来ない事を簡単に宣言するもんじゃないよ?笑

大丈夫!やましいことはしない。

そっか。じゃ、遠慮なく~♪

改めて、よろしくね。

いつまで続くかなぁ~笑(嫌味たっぷり)

 

後悔してもしきれないが、彼女からの信用を失ってからというもの、僕はどう接すればいいのかを模索していた。

関係を終わらせなかったのは彼女の覚悟。

 

mudatishiki.hatenablog.com

 

その覚悟を決して無駄にさせてはいけないと考え、自ら彼女の傍に住むことにした。

引っ越し先は彼女の住処から800mの距離。

行動が見えれば、少なからず会っていない時間に疑心暗鬼になることもないはずだ。

失った信用は2度と取り戻せない。

取り戻すのは、裏切ったけど反省した人という信用だ。

もう2度と彼女を悲しませない。

気持ちを入れ替えて彼女の笑顔に繋がる気配りをしていこうと思う。

 

 

いつまでも子供

離婚したのは2015年3月末。

夫婦仲の我儘/都合で離婚を決めた日、子供たちに接する機会がなくなる代わりになればとの思いから、裁判所が設定している養育費算定表よりも多めに支払う念書を交わしている。

当然ながら生活はギリギリで、離婚後は実家に戻り親に甘えるしかなかった。

「家族・親族の了解を得て一緒になったのに、勝手に2人で決めて別れて帰ってくるなんて。。。」

夫婦の事情で突然孫を手離さなければならなくなった両親のぶつけようのない哀しみと口撃、近所の方の詮索。

我儘が招いた結果だとしても耐えれなかった。

アラフォーになっても親から見れば僕はいつまで経っても子供に変わりない。

有り難いことに、70歳近い両親は未だに現役で夜間の仕事に就いている。

同じ屋根の下で暮らしていても、顔を合わすことが少なかった。

帰宅しても誰も居ない実家は、僕には広すぎた。

そして何よりも耐え難いのが不意にやってくる孤独感だ。

そんな理由から、平日だろうが関係なくお誘いは一切断らず、スケジュール帳にはいつも何かしらの予定が書き込まれていた。

当然ながら家には寝に帰るだけの生活である。

昨日は何時に帰った?

晩御飯、どこで食べてる?

家を空けることが多いが何をしている?

週末の予定は?

また居ないの?

親子関係は良好だが、それが仇となって強干渉だなと感じていた9月末、コミュニケーション不足から親父と衝突した。

何十年ぶりかに大声を張り上げて言い合いになり、父親に言われた一言に深く傷つき憤慨してしまった。

そんなに干渉されるのが嫌なら出て行け!

あぁ。そうさせてもらう。何も1人で生活できない訳じゃない。

親父なりの愛情表現だったのかもしれないが、素直に受け入れる器は持ち合わせていなかった。

自室に籠るなり生活費をシュミレーションし、手頃な家賃で近日中に入居可能な物件をピックアップ。

週末に不動産屋に行き、お願いしていた3つの物件を見せてもらい即日契約。

入居日は10/7。

喧嘩した翌日には気持ちを切り替えて言葉は交わしてはいたが、不用品の処分、引っ越しにかかる初期費用の準備と手伝ってくれる友人探しが全て済んだ10/5に報告をした。

腹を立てずに聞いてほしい。離婚後、当たり前の様に実家に転がり込んで悪かった。取って付けた様なことを言うが、丁度自分の身の振り方を考えている時だった。いい機会と思って家を出る。険悪な状態で逃げるように住処を変えるのは違うと思うから報告しておく。あの日は反発してごめん。

おう、そうか。よく覚悟した。いいぞ!心意気は気に入った。止める気もない。ただな、子を心配しない親はいない。あのまま何のアクションも起こさず実家に居座るつもりだったら、俺から蹴りだしてやるところだった。口調は荒かったかも知れんが、お前が冷静になって親の気持ちを汲んでくれたと信じてる。無理はするな。きつくなったら相談しろ。お金のことで困ったら友人に頼らず親に相談しろ。いいな?

わかった。何から何までありがとう。

こっちがあまりにもかしこまって話し掛けたものだから、最初は眉間にしわを寄せていたが、話し終わる頃には打って変ったように穏やかになっていた。

自分の生活には困らなかったが、所有物である愛車とバイクの保管先が見つかっていなかった。

もう少しの間、置かせてほしいと相談すると、

施錠のしっかりした駐車場は高額だろ?そんな無駄なお金は使うな。このまま倉庫(実家に帰ってから父親と共に改装した屋根付きコンクリート張り)に置いておけばいい。本当ならここで心を鬼にしなければ意味がないのかも知れん。でもお前の心意気は充分わかったし、仕方ない!許してやるよ(笑)

予想の斜め上を切り裂く、父親からの嬉しい裏切りだった。。。

僕は恵まれている。

こんな親不孝者なのに、いまだに目をかけてくれる両親には感謝しかない。