ザキヤマという男の物語。

人生は冥土までの暇つぶし。自由気ままな男の物語を書き残しています。

心の闇②

ハッキリ断ったし、相手も逆上した。

元カノもプライドがあるはずだし、もうは連絡はない。

これで今の彼女と楽しく過ごすことが出来る。

 

そう思っていた。

 

1つ心残りだったのは、今の彼女にこの事実を打ち明けられずにいたことだけだった。

もう終わったこと。話して心配を掛けるよりも無かったことにした方がいい” と考えていた。

彼女が疑心暗鬼になったのは5月下旬のデートの時だった。

元カノを紹介してくれた高校時代の友人からの電話。

運転中だった為、その時はスルー。

男友達で隠す関係でもないのもあって、手が空いたときに折り返した。

いつもと変わらない調子の友人ではあったが、色々と僕の近況を聞いてくる・・・。

流石に違和感を覚え問いただした。

 

さっきからなんだ?妙に探りいれてくるなぁ。

ん?いや、最近どうなのかなーと思ってね。

お前そんな事聞いてこなかっただろ?誰に頼まれたんだよ。

あー・・・すまん。元カノちゃん。お前の事をしつこく聞かれてて参ってんだよ。俺も。

おいおい、もう連絡取ってないって言ったろ?まさかこの話そのまんま向こうに言うつもりか?

どうなってんのか知りたかっただけだよ。

 

隣に居た彼女は会話内容から察したのか、少し僕と距離を取った。

 

もう勘弁してくれよ。第一お前まで何やってんだよ。

そうじゃないって。余計なことを言うつもりはないが、どう対処していいのか俺にもわからないから電話した。ハッキリ別れたんだよな?もう戻る気はないんだな?

ないよ。もしまた聞かれることがあったら伝えといてくれないか。アイツには彼女が出来て楽しくやってるって

おーそうなのか。了解。また向こうが拗ねて喧嘩でもしてるのかと思ってたよ。そういうことなら伝えとく。

よろしくな。で、共通の友人を使って探ってくるなとも言っておいてくれないか。

OK。俺も面倒なんだわ。もしかしてデート中だったか?邪魔したな。悪い・・・。

いや、隠すことでもないし別にいいよ。迷惑かけてすまない。それじゃ。

 

通話終了ボタンを押すと同時に彼女が口を開いた。

 

男の人だよね?今の。もしかしてその人使って探られてるの・・・?

うん。そうみたい。

付き合ってる事知らなかったみたいだけど、私ってなんなの?

ん?何言ってる!?君は俺の彼女だよ?

なんか隠されてるみたい。

そんなことないよ。

去年から連絡とってないんだよね?

そうだよ。(←咄嗟に嘘をついてしまった・・・)

ふ~ん・・・。ま、いっか。

 

この時は彼女が大人の対応をしてくれたお蔭で事なきを得た。

しかしこの日から事あるごとに彼女は元カノの存在を気にしていた。

怒るわけでもなく、嫌味たっぷりで話すわけでもなく、本当に申し訳なさそうに聞いてくる彼女。

 

ねぇ、つじつまが合わない。 去年切れた関係なのに、どうして半年経った今探られるの? 本当は連絡あったんじゃないの?それか連絡取ってるとか・・・?

心配しなくても大丈夫だよ。。。

こう返すしか無かった。

実は・・・なんて今さら打ち明けて元カノの事で険悪になるのもバカらしい。

友人を使って探りを入れてくるということは、元カノも直接僕に連絡ができないという事。

風の便りで元カノに彼氏が出来たが数週間でダメになったことも聞いていたし、4月の時点で完全にピリオドは打っているのだ。

向こうも合わせる顔なんて無いだろう。

となると、なおさら3月と4月に連絡があったことは、もう隠し通すしかなかった。

彼女をバカにしているわけじゃない。

裏切ったわけでもない。

連絡を受けてしまったが、その時にお断りをしたのだ。

何の問題もない。

 

そんな自分勝手な考えで6月を迎えた。